「せきすい」と言われとっさに頭に浮かぶのは「積水ハウス」と「セキスイハイム」です。
どっちも同じグループ会社だと思っている人も多いと思いますが、実は全く違ったハウスメーカーなのです。
さらに、積水ハウスもセキスイハイムも阪神大震災、熊本地震では全半壊一切なしの地震にはめちゃくちゃ強い命を守るハウスメーカーです。
両者の違いを徹底比較していきます!
Contents
積水ハウスとセキスイハイムの歴史的接点
積水ハウスとセキスイハイムは「せきすい」の言葉が同じことから何となく歴史的なつながりを感じている人もいるかもしれません。
実は2つのハウスメーカーは元々同じ会社だったのです。
大きな会社になるほど部署やグループも別れ、派閥も生まれてくるもので、考え方の違いにより分かれてしまうことはよくある話です。
積水化学工業から2つのハウスメーカーが誕生
大手プラスティックメーカーの積水化学工業から2大ハウスメーカーが誕生しました。
積水化学工業は1947年に創設された非常に歴史ある会社で、その中にハウス事業部がありました。ただ、徐々に業績不振に陥りついには廃部が決定していきます。
何とか軌道に乗せようと頑張っていた社員の中には廃止に強く抵抗する人も当然出てきます。その時、同じ同志が集まって積水化学とは完全に独立した形で出来た会社が「積水ハウス」です。
1960年代に創業した積水ハウスはその後、大躍進を遂げることになるのです。
ハウス事業部を廃止した積水化学工業にとっては「逃した魚は大きかった」わけで、再度住宅部門を立ち上げていきます。
1971年には本格的に始動させるため奈積工業株式会社(現在のセキスイハイム工業株式会社)を設立し「セキスイハイム」の歴史が新たに始まりました。
積水ハウスは積水化学に捨てられたけど急成長
元々は同じ会社だった「積水ハウス」と「セキスイハイム」ですが、違った道でそれぞれ走り続けています。
積水ハウスは戦後の住宅需要も相まって、急激な成長を遂げ、今やハウスメーカーではトップを走る大企業に成長しました。
一方、セキスイハイムは科学技術のノウハウに長けていることから独自路線で成長中です。
積水ハウスの単独売上高は約1兆200億円(連結では約1兆6,000億円)、セキスイハイムの単独売上高は約3,000億(連結約9,000億円)と従業員数など規模が大きい積水ハウスの方が売上が多いのは当然ですが、セキスイハイムも着々と売上を伸ばしています。
ちなみに単独とは一つの会社をみた場合、連結はグループ会社含めてみた場合で、連結の方が企業の内情をより詳しく見ることが出来る利点があります。
今では全く別会社の積水ハウスとセキスイハイムですが、積水ハウスの大株主(筆頭株主)は何と!積水化学工業なのです。
つまり、今でも2つ会社はお互いをけん制しながらも協力関係にあることが分かります。〝共存〟という言葉が一番しっくりくるかもしれませんね。
だからこそ、この2つのハウスメーカーは良きライバル関係を維持しつつ共に成長し続けているのです。
積水ハウスとセキスイハイムの特徴を分かりやすく比較
両者が共に共存していくには、独自の強みを持たなければ成長はあり得ません。
ここでは2つのハウスメーカーの特徴を分かりやすく解説していきます。
外観(デザイン性)
セキスイハイムの鉄骨住宅の特徴は、筋交いがなく、明るく広々とした住まいを実現する「鉄骨ラーメン構造」に特色を見ることが出来ます。
鉄骨ラーメン構造とは、柱、梁(はり)を重量鉄骨で構成してその接合部が固定されている構造で、高層ビルや橋にも使用される耐震性や耐久性にも非常に優れている構造です。
セキスイハイムはこの鉄骨ラーメン構造のユニットを工場で同じ品質で作っていく「ユニット工法」を採用しています。セキスイハイムの家がデザイン的には四角い家が多いのはそのためです。
一方、積水ハウスの鉄骨住宅の特徴は「ユニバーサルフレーム・システム」に見られ、耐震性を確保しながらも、多様なデザインが可能になる構造システムにあります。
どちらかと言えば、積水ハウスの方がオシャレな家が多いのは住宅の構造の違いによるものだったのです。また、積水ハウスは「シャーウッド」の木の家が有名で環境に優しく、「シャーウッド構法」と呼ばれる独自の技術がヒットしました。
しかし、現在では積水ハウスの鉄骨3、4階建てに「フレキシブルβシステム」と言われる鉄骨ラーメン構造を更に進化させた構造が採用されるなど、両者の良い面はちゃんと共有しています。
両者の構造の違いによるデザイン性の違いはほとんど感じなくなってきているのが現状ですね。
価格(坪単価)
積水ハウスもセキスイハイムも坪単価はおおよそ70万から80万といったところで、30万から50万で一戸建てが作れるハウスメーカーがあることを考えると、どちらかというと高級住宅の部類に入ります。
坪単価とは、家を建築する時の1坪(※1坪は約3.3m²)当たりの建築費のことで、建物本体価格を延べ床面積(坪)で割った数値です。建物の価格をだいたい把握するための一つの指標になります。
両者とも現地で家を一から作らずに工場である程度の枠組みを製造、そして現地に運んで組み立てる「住宅の工業化」を先駆けてきた会社です。
ただ、積水ハウスよりもセキスイハイムの方が工業化の傾向が強く8割以上は工場で生産し短期間で家を建てることが出来ます。
そういった意味で、コストダウンを図れるセキスイハイムでは若干ですが坪単価を下げることが容易だとも言えます。
耐震性
巨大地震の予想までされている日本列島では、気になるのが大地震にどれだけ耐える家なのかどうか?ですね。
積水ハウス、セキスイハイム両者とも、「耐震等級3」を取得していて地震への対応能力は最高水準を誇っています。
積水ハウスのユニバーサルフレームには随所にSHEQAS(シーカス)という振動吸収システムを置くことで地震の揺れを熱に変換し吸収することで地震に耐えることが出来ます。
セキスイハイムでは強靭なボックス構造であるラーメン構造が地震に耐える家を作り出しています。
どちらのメーカーも、直近の巨大地震を耐え抜いた動かぬ証拠が地震に強い家だと証明してくれています。
熊本地震では、某有名ハウスメーカーの家が2回の巨大地震でなぎ倒されていく中、「せきすい」の家だけが半壊、全壊を免れ、そびえたっていました。
住宅展示場に建設されているハウスメーカーが管理している家も例外ではなく、某メーカーが震災後に早急に建て直していたのが印象に残ります…。
一戸建てサポート体制
一戸建てをどうせ購入するならサポートが充実している方を選びたいものですね。
積水ハウスでは入居後15年まで、セキスイハイムは入居後60年まで無償点検のサポートが付いています。
あくまで点検料はかかりませんよって意味で、実際に損傷箇所などを修理する費用はかかるのでどちらが良いとは一概には言えないところです。
家を購入するには何でも包み隠さず話をしてくれる信頼できる担当者を見つけることが一番ですね。
そういうきちんとした担当者がいるハウスメーカーは、売上高にも影響するので、やっぱり売れてるハウスメーカーは高くても一定の安心感はあります。
賃貸住宅
将来的には一戸建てが欲しいと思っていても現実を見ると中々家を買うことが出来ない人も多いと思います。
そういう人は、購入を考えているハウスメーカーの賃貸物件に住んでみるのもとても参考になりますよ。
積水ハウスの賃貸住宅は「積和不動産」、セキスイハイムは「セキスイハイム不動産」が管轄しています。
賃貸アパートだってメーカー各社の良い面、悪い面が住んでみると体感できるもので、どんな家なのか住んでみたからこそ分かる部分は沢山出てくるはずです。
積水ハウス、セキスイハイムの住宅展示場
積水ハウスもセキスイハイムも全国展開しているトップクラスの住宅メーカーなので、色んな場所で住宅展示場を構えています。
住宅展示場は敷居が高いと思われがちですが、行ってみると様々なイベントを開催していることも多いので将来のために下見として行くだけじゃなく、アミューズメントパークのような感覚で行くのもありかと思います。
住宅展示場の勧誘アンケート
展示場現地では各メーカー担当者がアンケートを依頼してくるため、購入を全く考えていないのであれば応えない方が無難です。
一時期よりも少なくなったとは言え、今でも執拗な勧誘をしてくるハウスメーカーもあるのでそこは注意が必要です。
近い将来、住宅購入を考えているのであればアンケートに答え担当者に色々質問するのも勉強になります。
ただし、浅く広くでいいので事前にある程度の知識を付けていくと担当者の話を長々と一方的に聞くような展開にはなりにくく、より深く理解することが出来ます。
何でもそうですが、予習は大切ですね。
住宅展示場のフルスペックの家は買えると思わないこと
住宅展示場の家は、外観や内装、インテリアまで物凄く魅力的で将来の自分と照らし合わせながら観覧するのも楽しみの一つです。
しかし、住宅展示場にある家は、メーカーの威信がかかった最高水準のフルスペックのものだと最初から思ってください。
数千万円で購入できると思ったら大きな間違いで、億単位の家が軒を連ねています。
それもそのはず、メーカー側からすれば、来客に夢を見させて購入意欲を掻き立てることに意味があり「こんな素敵な家に住んでみたい♡」と思ってもらわないことには始まりませんからね。
色んなハウスメーカーの家を見学すべき
ハウスメーカーは全国に数多くあり、有名どころから地元だけのところまで色々です。
どんな家に住みたいかは人それぞれで、意外にも自分が描いていたハウスメーカーのイメージが変わることもあり得ます。
当初の予算よりも安く家を購入する目途が立つことも十分あるので、色んなハウスメーカーを実際に見ることはとても意味があります。
まとめ
積水ハウスとセキスイハイムは今では全く別会社ですが、元々は積水化学工業が母体となっていました。
そして、ライバル関係にありながら、今でも株を通じて協力関係が見え隠れしています。
耐震性では両者はどちらも引けを取らず、地震に強い家の需要は年々高まっている中、「せきすい」ブランドは今でも健在です。
同じ「せきすい」の名前が付いている両者のどちらが良いとははっきりとは言えませんが、〝信頼〟で最後は購入を決断していくことになります。
また、住宅メーカーは「せきすい」だけではありません。
色んなメーカーを住宅展示場で見学することも大切で、家の購入を考えている人はタウンライフ注文住宅相談センターなどで資料請求から始めるのもいいでしょう。
タウンライフは無料で様々な情報を提供してくれ、成約した場合にはお祝い金制度もありおすすめです。
ハウスメーカーの比較を個人でやるとなると結構な時間と手間がかかります。