子供の利き手にはとくにこだわらない親でも「左で物を持つことが多いような…」「左でスプーンを持っていた…」「右利きに矯正しないといけないかも…」など左手を使っている子供の姿を目撃すると、何となく不安になることもあるかもしれません。
ただ、左利きだから特別だということはなく、どんな子供も親にとってはオンリーワンの愛おしい存在なんです。
ここでは利き手の割合や利き手を決定づける要因、そして利き手の決まる時期など紹介していきます。
Contents
左利き、右利きの割合
多くの子供を見ると右手を主に使っていることがわかりますね。
たまに左利きの子を見ると「あれ、左利きなんだ!」と珍しがられます。
右利きと左利きの割合を見ると、実際、右利きの方が圧倒的に多く、生活上でもハサミやマウスなど右利き用のものが溢れています。
左利きの割合
左利きの割合を世界の統計で見ると約2%から約10%と10人に1人は左利きなのです。
以下の表を見ると、意外なことに日本が一番左利きの割合が高いことが分かります。
また、アメリカ人が左利きが少ないことには驚いてしまいました。自由の象徴アメリカでは左利きのイメージがありますよね。
両利きの割合
アメリカでは左利きの割合が少ないのですが、アメリカでは利き手を矯正するのは子供の発達に良くないという風潮があり、実は両利きが多いのです。
両利きの人は、元々左利きなのですが右手を強制的に使わなければいけない場面がどうしても訪れることになります。
そうなると、右手も使う機会が増え、結果的に両方の手が使えるようになるのです。
両利きの割合は左利きに準じていて、スプーンは右手、鉛筆は左手など生活場面によって使い分けている人がほどんどです。
子供の利き手は遺伝するのか?
両親の利き手が子供に遺伝されるのか気になる点ですが、2013年にオックスフォード大学のウィリアム・ブランドラーが率いる研究チームは、遺伝子PCSK6が利き手を決定づけることをつきとめました。
この遺伝子は、受精卵が分裂を繰り返す中で、心臓は左寄り、肝臓は右側など左右の違いを決める役割を果たしているのです。
ただし、研究チームは、「胚の発達段階で左右を決定する遺伝子は特定されたが、それだけが原因とは言い切れない。」「利き手が左右どちらになるかは、環境や文化的背景によっても大きく決定される。左利きは強制的に右利きに修正される傾向もある。利き手を決定付ける要因は非常に複雑でまだ多くの謎が残されている。」と言っています。
遺伝だけで子供の利き手が決まるわけではないが、遺伝も利き手を決定づける一つの要因なのです。
利き手と左右の脳の関係
子供の利き手の決定には左右の脳が関係しているとも考えられています。
- 右脳は音楽、図形、絵画、立体、パターン認識などの「イメージ脳」
- 左脳は論理的思考、言語、文字、記号、計算などの「言語脳」
人間以外の動物の脳を見ると、左右の分化がほとんどなく、人間固有のものになっています。
また、体の左右の機能と脳は密接な関係性があり、左半身は右脳から指令を受けて動き、右半身は左脳からの指令で動きます。
脳卒中などで左右どちらかの脳を損傷してしまうと、片方の体が不自由になってしまうのも左右の脳の働きがあるためです。
右利きだと左脳を、左利きだと右脳を活性化させるのはあながち間違いではないようですね。
両利きだと天才になるのか?
左右どちらの脳も刺激を与える両利きは天才を生み出すイメージがありますが皆さんはどう思われますか?
かの天才と言われたレオナルドダヴィンチも両利きだと言われています。
実際に左利き、もしくは両利きの人は確かに色々器用だったりしますが、実際には両利きの人が頭が良いとは一概には言えません。
しかし、左右どちらの手も使うようにすれば左右の脳はフル活動し、天才と言われる領域に達することも不可能ではなさそうでね。
多くの人は右利きなので、あえて左手を使うようにすればこれまであまり使われていなかった脳の部分が開花することもあり得る話です。
左利きの人は寿命が短いって本当?
左利きの人は右利きよりも寿命が短いという説もあります。
1991年に、Halpern & Corenにより『ニューイングランド医学ジャーナル』で発表された衝撃的なもので、左利きの人は右利きの人と比べ、平均9年も寿命が短いという。
南カリフォルニアで無作為に900件以上もの死亡事故を遺族らに聞き取り調査し、左利きの人が右利きの人よりも労災事故、交通事故などの事故を起こす確率が高いことを証明したのです。
ダウンタウンの松本人志さんもツイッターで「オレたち左利きは右利きの人より約9年ほど短命らしい。。。やさしくしてね。」と呟き大きな反響をよんでいます。
ただ、彼らの研究調査の信ぴょう性は低く大きな間違いであると指摘する声も多くあり、今では左利きと寿命の短さに因果関係がないとするのが一般的です。
とは言え、右利き中心の世界を見ると、多少なりとも左利きの人はストレスを感じているはずです。この研究が興味深いのは間違いありません。
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子供の利き手はいつ頃決まるのか?
右手よりも左手を良く使う場面を見てしまうと「もしかして我が子は左利き?」と思う瞬間があるかもしれません。
左手をよく使うからといって左利きだとはすぐには断定は出来ませんが、とても気になるところですね。
いったい利き手はどれくらいの年齢で決まっていくのでしょうか。
0歳~3歳頃の子供の利き手
生まれてから3歳くらいまでは右手、左手を交互に使ってみたりまだどちらの手が利き手なのか分からない時期です。
とは言え、1歳くらいになるとスプーンを持てるようになってくるので持っている方の手が利き手なんじゃないかぁくらいの予想は出来てきます。あくまで予想です。
ボールや物を投げる、物を掴む、指しゃぶりをするなど子供がどっちの手を使っているのか非常に気になるところですね。
4歳頃に利き手は確定する!?
アメリカの心理学者アーノルドゲゼルは0歳から10歳までの数十人の子供を対象に利き手の研究を行いました。
子供は何度も利き手の交代しながら、4歳頃にようやく利き手が固定されると結論づけたのです。
実際には4歳くらいになるとお絵描きや文字を書くようになってくる影響で、色鉛筆やクレヨンを持つ機会も増えてきます。
どちらが利き手になるのか親としては楽しみである一方で不安もやっぱりありますよね。
左利きの子供は矯正する必要はあるの?
左利きだと本人が将来不便に感じると思い、親が利き手を矯正する風潮が以前の日本にはありました。
しかし、今では左利き用のグッズやユニバーサルデザインも増えてきたことから、そこまで不便さを感じることも少なくなってきました。
むしろ、左利きの方が重宝されるケースさえあります。
特にスポーツの世界ではそれが顕著に現れ、左利きのピッチャーやバッター、左利きのサッカー選手、柔道などでは相手に脅威を与えることさえあります。
また、普段の生活で右利きの人は、左も使えたらいいのにと思う場面もたくさんありますね。
言ってみれば左利きは子供の個性の一つであり、親がそれを潰してしまうことは極端な言い方をすると未来を変えてしまうことにもつながりかねません。
左利きの子供には最終的に、両利きになってもらう方が器用でいいのではないでしょうか。
子供は大人と違って成長するスピードは桁違いです。多少の困難があっても乗り越えられるだけの能力は十分あるはずです。
まとめ
こどもの利き手は試行錯誤を繰り返しながら4歳ごろに決まっていきます。
世界を見ても利き手の割合は圧倒的に右が多く、左利きは不利になると思われがちですが、決して損することばかりではありません。
左利きはむしろ子供の個性です。個性を伸ばしてあげるのも親の務めです。
どうかそれまで暖かく見守ってあげてくださいね。